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nopota note

たったの1年ですが、2017年〜2018年の間に、保育園建設と運営に携わっていた者として、在職期間中の2017年10月の堀江さんの発言はとても印象深かったですし、今後の保育のあり方について改めて考えるきっかけとなりました。当時、考えを纏めることもできず、そのまま業界を去り、またIT業界に戻ってしまいました。
今後、教育事業を起こしていきたいと考えており、まずあの時の事について、自分なりに纏めてみるのを第一歩としたいと思います。

目次

  1. 堀江さんの発言について
  2. 極論になりがちな堀江さんの「一言ネタ」
  3. 堀江さんの発言に対する世間の声
  4. Twitter上で①・その他の発言が入り乱れる
  5. え、どういうこと?
  6. 補助金(助成金)を受けると、収益事業と使途が制限されます
  7. ただ、「ワークスアプリケーションズみたいに他事業で収益上げて保育士さんに還元しろ」と言われたらそのとおりです。
  8. 世間が株式会社以外の法人に詳しくないのでは
  9. TwitterじゃなくてNewspicksを見よう
  10. 堀江さんの発言の真意

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堀江さんの発言について

まず堀江さんは単純な事実を述べただけで、
保育士の仕事を蔑んだわけではありません。

でもなぜここまで炎上したのか。
それは、発言が簡素で、行間の解釈が他者に委ねられていたからです。

このような感じ。

この発言は2017年10月に堀江さんがNewspicks上でコメントし、同時にTwitterで共有されたものが、Twitter上で炎上しました。

Newspicksでも少し炎上しましたが、Newspicksでは発言に対してリプライできるような仕様ではなく、またコメントする方も会社の看板背負って発言しているので、とても建設的な意見が多かったです。
それについては後半に記載します。

極論になりがちな堀江さんの「一言ネタ」

ふかわりょう氏が本家として磨き上げた「一言ネタ」が稀代の事業家である堀江氏に継承されました。

ふかわりょう氏

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堀江氏

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すいません、ふざけました。

でも、これだけだと、色んな解釈ができますよね。
例えば、
「誰でもできる仕事」=「重要でない仕事」
「誰でもできる仕事」=「簡単な仕事」
「誰でもできる仕事」=「専門性の問われない仕事」

他にも解釈があると思いますが、ここまで簡素な表現ですと、その真意はよくわかりません。
そして興味深かった点は、これがバズった事により、たくさんの人の意見が透けて見えたことです。

堀江さんの発言に対する世間の声

大きく2つの意見に分けられると思います。
①保育士さんは大変で重要な仕事である
②保育士さんは簡単で重要でない仕事である

Twitter上で①・その他の発言が入り乱れる

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ふむふむ

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真ん中の方は、プロ意識は結果と関連は無い。という意見でしょうか。
一番下の方の、プロフェッショナルでなくても人は成長する。それはそのとおりですね。
ただ、人の幼少期の特性を知らない人が、保育に携わることにより不幸になっているケースもありますので、「成長すること」と「健康で、本人の個性を伸ばし成長すること」は別問題だと思います。
が、後者を全ての保育園ができているのか、といえば否だとは思いますし、自宅ではそれができない、も否だと思います。

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下の方は、なんか制度について理解していそうな気がしました。
気だけですが。

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堀江氏の極論芸についての言及も。

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色んな意見があり、勉強になりました。

堀江さんの発言の真意はまずおいておいて、
あからさまに②のスタンスを取る人が殆ど居なかったことについては、とても興味深かったです。(Twitterのリプライ上は)
①の打ち消しの意見のようなものは散見しましたが、②は殆どなかった。

私個人は①だと思っています。
保育園を運営し、保育士さんと一緒に仕事をさせて頂き、その専門性に感銘を受けたのと同時に、命を預かる職責の重さに責任者として今まで感じたことのない重圧を感じていました。
そして給与が上がらない原因と言われている「市場原理」。
それも合っていると思います。
合っているのは、広義の意味での市場原理です。
もし狭義の意味での市場原理。で会話されている方は、間違っています。

え、どういうこと?

自分の文章を読み返しながら書いているのですが、え、どういうこと?って思いました。変に難しく書く癖があり修正したいですね。

まず広義の意味での市場原理というのは以下です。
「国の制度でガチガチに収支が決まっている保育園ってのは分かってるんだけどさ、その国の制度を決めてるのも市場原理だよね!」
これは正解です。
そういう意味で、「市場原理により保育士の給与が決まってる」は正解です。

ただ、以下は間違えです。これを「狭義の意味の市場原理」と呼びました。
「保育園だって株式会社と一緒なんだから、市場原理上、誰にでも出来る仕事だから、保育士の給与が増えないんだよ!わかる?需要と供給なの!等価交換!わかるでしょ!???
お金もっとほしいなら、専門知識を身に着けて、稼げる園で働けばいいじゃない!」

こういう感じの意見は、間違えです。
というか、大間違えです。

理由は、保育園は収入と支出が決められていて、収益化できる唯一の柱の保育料(及び補助金)も配置基準によりデザインされているからです。
要は、手元に残るお金は、どんなに工夫しても限界があります。
それが現在の保育園制度です。

まぁ、社会福祉なんですよ。もともと、社福の一部ですし。

収益事業に制限はあるし、補助金の使途は制限があるし、
何でもかんでも出来るわけではないのです。

補助金(助成金)を受けると、収益事業と使途が制限されます

大事なことなので2回言いました。

また配置基準もあるので、たくさん園児を受け入れて、少ない保育士で効率化。と言っても、配置基準の最大値が限度です。

大事なことは何回でもいいます。

また、尖ったサービスを行い、保育料を上げてみよう。は良い案ですが、保育料は国や行政で定められているので、保育園の一任で変更できません。

一部、保育とは別事業で収益化できますが、大きな利益を上げると行政指導されます。
どんな方法をとっても、収入と支出が決まっている中で運営しないといけないのです。
なので保育園というのは、市場原理の中で運営していません。外で運営しています。

そのスキームの中で収益を増やすとなると、大規模園化するしかないのですが、配置基準には保育面積の定めもあるので、家賃などが高い地域ですと、大規模園化しても、家賃がそれ以上に増えて手持ちが残らない可能性もあります。難しいです。
田舎だったら可能ですが、子供の多い田舎には既に大規模園などが存在し、そうじゃない地域は過疎化の一途なので、事業化できないことが多いです。
また、人の多い都心だったりすると今度は場所がないので、現実問題、できないよね。というケースが多いですね。

ただ、「ワークスアプリケーションズみたいに他事業で収益上げて保育士さんに還元しろ」と言われたらそのとおりです。

当時ワークスアプリケーションズの事業所内保育園、「withKids」は新卒の保育士さんに月給30万払うという破格の給与でした。
(まだやってるみたいですね。ワークスアプリケーションズさん、HR事業売却で危機を脱したみたいで良かったです。)
それをプロデュースしていた企業さんの代表も、よく児童育成協会主催のセミナーに登壇し、成功例としてエヴァンジェリっていたのが良い思い出です。

保育園単体での収益化でなく、別事業体で設けて、それを保育士さんの給与に還元しろ。それができないのはおかしい。
なら、そのとおりですね。
難易度は、ちょっと高くなりそうですが。
少し明るくないのですが、企業主導型でなく、通常の認可保育園で、別に株式会社などを持ち、そこの収益を共有するような形は問題ないんでしたっけ。

まぁそもそも社福や認可保育園で認められている範囲の収益事業を行い、保育士の給与や福利厚生を支える。というのはそのとおりですね。ただそれって、もう保育士さん個人の努力ではコントロールできない部分です。

世間が株式会社以外の法人に詳しくないのでは

と、当時の騒動で思いました。
収益の上げ方について、社会福祉法人や学校法人や医療法人などと、株式会社の違いを知らない人が多いのが、保育士さん低賃金理解が及ばない、そもそもの問題な気がしています。

TwitterじゃなくてNewspicksを見よう

そんなもやもやをTwitterでは感じましたが、Newspicksでは感じませんでした。というか、共感と勉強の嵐でした。

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いやいや!まさにそのとおり!!!
言ってくれてありがとう!そして、このコメントがトップ表示!
さすがNP!民度高い!(笑)

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堀江氏の一言ネタに警笛を鳴らしています。
真意は違うかもしれませんが、一言ネタは多くの人に誤解を与えています。

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日本が人を育てることにお金を出さない。は、税金ベースで考えるとそうなんだろうなと思いました。高齢者が多いからでしょうか。
この方の言っている市場原理は狭義の方ですね。

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狭義の市場原理で語っていた人に端的に説明しています。
さすがProピッカー!

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これが堀江氏のNewspicksのコメント。
この194のLikesはどういう意味なんでしょうかね。

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この発言だけ拝見すると、そもそもの制度設計を知らないで話しているように感じてしまいました。因みに稲葉氏を私はフォローしており、いつも勉強させて頂いています。

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完全に制度を理解し、日本政府の問題としています。
Kenji Aさん、フォローしていつもコメントチェックしているのですが、この人の多種多様な業界への深い理解はどこからきているのでしょうか。やはり投資運用のプロフェッショナルなんでしょうね。業界知識の幅と深遠具合が神の領域です。フォローしてない人はフォローしてみてください。絶対損しません。

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業界の方ですよね、さすがです。
業界の代弁者です。
Newspicksの仕様が許せば1000回Like押したかった。

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自分と同じ意見でした。noteにこんな冗長な文章書かなくても、この方のこのコメントを読むだけで全て伝わりますね。伝わる文章とはこのことか。。。実務レベルで関わっていたのかなと妄想します。

めちゃめちゃ関心したので、表示の会社名で検索したら、noteがヒットしました。レーベル | 遊と暇|note「遊び」にまつわる企画・出版・プロジェクトを専門とするレーベルです。editing unit [ Spilen ] を運営note.comtatsufico watanabe|noteレーベル「遊と暇」代表。東京藝大修士課程←LITALICO9年(子育てメディア「コノビー」編集長←発達障害児支援←障害者就note.com

ご本人と、そのレーベルのnoteですね。
どちらもフォローしました。

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ちゃんと「市場原理じゃないよ」と指摘してくれています。
当時、川崎市に住んでおり、近くで保育園建設可能な会社様と土地を探してシミュレーションをしていたのですが、近隣の保育士さん募集の時給が「1650円」で驚愕したのを覚えています。
ああ、あなたも集まらないんですね。1650円で収支は大丈夫ですか。
お互い頑張りましょう。
と心で思いました。

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平たく言うと、「稼いでる園でも給与体系により保育士に還元されてないんじゃない?」という意見です。
100人定員はかなりの大規模園ですね。お会いした年収700万のベテラン保育士さんが働いていた規模の園です。
ただ、それって例外だと認識しており、それを取り上げて「業界全体そうなんじゃないの?」はズレてるかなと思ってしまいます。

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これは「狭義の市場原理」論者に対して、「いやいやそもそも市場原理働いてないから!」「(制度の修正点としては)保育料の個人負担を上げる→園の収入が増える→保育士の給与に還元できる」んじゃないの?
という、とても的確で実践的な提案だと思いました。
NASAだけに、宇宙から保育業界を俯瞰できているんですよね。

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なるほど、こういう活動もあるのですね!
以下、リンクです。日本こども育成協議会 | 一般社団法人日本こども育成協議会日本こども育成協議会は、こどもにかかわる事業を運営する法人・個人の事業者を、サポートしている保育事業団体です。nihon-kodomo.jp

また下記は事実過ぎて悲しくなります。
その人の個人の問題解決手法としては良いですが、業界全体が良くはもちろんならないですよね。

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この事実に、潜在保育士問題があります。
保育士資格を持っていても保育士になっていない方たちです。
その方たちをどう採用するか?が採用戦略の一つでした。

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と、Newspicksで皆さんのコメントを読んでると、とても勉強になり一生続きそうなので、このへんで。
最後にフェアじゃない気がしたので、自分のコメントを。

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陳腐ですねwww
当時、堀江さんのコメントと他の方の保育士に対するとても批判的なコメントをいくつか読んで、脊髄反射的に反論してしまいました。

他の方は提案ベースなのに、自分だけ他者批判・・・恥ずかしいものです。
ただ、一緒に働いている保育士さんが批判されたような気になって思わず書いちゃいました。

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ちなみに私の言っている役所職員と給与合わせている保育士さんを「公務員保育士」と表現されており、なるほどと思いました。

堀江さんの発言の真意

ホリエモン.comのこの記事にご本人の発言とともに纏められています。
堀江さんの「市場原理」発言は広義の市場原理についてで、Twitter上でフローレンスの駒崎氏とも会話されていますね。
堀江氏は現状の保育制度の問題提起と、新しいtoC、シェアリングエコノミーでの保育事業の提案をされていました。

まさにそのとおりですよね。

当時自分が考えていた事業は、老人と子供のマッチングでした。
これだけ訊くと、変な感じがしますが、老人の認知症の原因の一つが、子供と接していないこと。というエビデンスを見て、自分の実体験ともリンクし、地域の老人と子供をマッチングできたら、老人介護と幼児保育の2つの社会課題が解決できるのでは無いかと思いました。
当時、「老人ホーム」と「保育園」を併設している社会福祉法人の方とお話したりして(それも児童育成協会のセミナーで登壇された方でした)、2017年当時の感染症対策や、その他課題点や改善活動を伺いましたが、(例えば風邪をひいている児童との接触で老人が感染し死に至ったらどうするのか?という問い)
まさか2020年に新型コロナウィルスなどの世界規模の感染症が流行するとは当時は思ってもみませんでした。
いま、介護や保育の現場はとても大変な対応を求められていると思います。
医療、介護、保育に従事している方には、感謝の気持しかありません。

コロナ後の事業

世界規模の感染症により分断された人との、世代間の交流を、また有機的に繋ぎ直すのもITの持っている力だと思うので、陳腐な言葉になってしまいますが、保育と介護のDXに向けて、自分の出来ることをやっていく所存です。

最後にQuoraのリンク

Quora「堀江貴文氏の「保育士は誰でもできる仕事」発言に対してどう思いますか?」